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すばらしき小鹿田焼。 [pottery]

義叔母は、小鹿田焼きの里である皿山のある大分県日田市のご出身です。そのご縁のお陰さまで、結婚以来、小鹿田焼きは、最も身近なうつわとなりました。集落皿山へは、15年前の春に行って参りました。、その日は日曜日で作業はなく、川のせせらぎに合わせ唐臼の単調な音だけが響く静謐な場所でした。幾つかの窯元さんにて何品かを選ばせていただき、大事に抱えて持ち帰りました。


その徹底的な手作業で生み出される小鹿田焼きは、まったく使う場面を選びません。なんと懐の深いうつわでせう。普段はもちろん、おもてなしに使うことも度々です。客人が大分ご出身であれば必ず使い、それはそれは喜んでくださいます。また小鹿田焼きを知らない方の目にも留まり、気に入ってくださいます。素晴らしいうつわです。


さて過日、我が家は引っ越しをしました。引っ越し作業の最中、食事のために梱包を避けたのが小鹿田(大分県人は小鹿田焼きのことを愛情を込めてこう呼びます)でした。およそ三週間、最小限の小鹿田だけでやり過ごしましたが、食卓が侘しくなることは決してありませんでした。


私の小鹿田暦は30年を超えました。購入先は悲願の皿山を始め、由布院、大分唯一の百貨店トキハ、大分市内の民芸店等々。手持ちの小鹿田は最も新しいもので10年前のそれ、義叔母から譲り受けた80年選手も現役です。これまでオーソドックスなものに惹かれてきましたが、現代風の小鹿田も手にしてみたいな。先日、都内に小鹿田専門店があることを知り、行ってみたくてウズウズしています。兎にも角にも、私はこれからも豆皿から尺五寸皿まで大切に使い続けるでせう。


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以下、小鹿田にお料理を載せた画像を集めてみました。


タグ:小鹿田焼き

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木っ端微塵。 [pottery]

昨日、器の整理中に、大切なミルクピッチャーを落として割ってしまいました。
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パーツは七つ。白葉紙に包まれた状態で割れたので欠けらは全て揃っていた、尚且つピッチャーの心臓である注ぎ口の破損は無かった、これら二点が不幸中の幸い。が、しかし金継ぎ初級者の私にとって、難易度は恐ろしく高い。修繕できるのかしら、、、いや、やるしかない! でも、その前に手付かずの年賀状の宛名書きを終わらせなくては。やれやれ。

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金継ぎ覚書*麦漆を研ぐ。 [pottery]

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金継ぎの流れを、練習用お猪口で確認し、いよいよ本番です。

割れを継いだ麦漆を室の中で乾かすこと、凡そ一月。断面の接着を確認し、余分な麦漆を研ぎ落としました。道具はカッターナイフとクリスタル砥石です。その滑らかさに納得の行くまで研ぎます。この作業は時間を要しますが、途中で手を休めることができる分、気楽に取り掛かることができます。と言うものの、一気呵成に仕上げてしまいました。金継ぎに焦りは禁物なのに、です。

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カップの取っ手もしっかり固定されました。恐るべし、漆の粘着力。

金継ぎ覚書*金を蒔く。 [pottery]

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麦漆の乾燥を確認し、呂色漆→研ぎの作業を二度繰り返し、その上に絵漆を重ね、暫く、この暫くの見極めが非常に困難且つまた重要、室の中で休ませ、いよいよ金を蒔きました。
果たして、絵漆をもう少し乾かす必要があったようです。乾きが足りないため、折角蒔いた金が、一部沈んでしまいました。はてさて、どう修復するのでせう。ちょいと調べて参ります。
*呂色漆に絵漆を重ねる際、薄く均等に、そして呂色漆が完全に隠れるように塗ることが大切なポイントのようです。
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ふふっ、ご近所農家さんでは、立派なアヤメが三本でワンコイン(100)でした。

金継ぎ覚書*「割れ」を接着する。 [pottery]

割れた器を復元する。この作業が自分でできたなら、と思い続けて早幾年。金継ぎ初心者向けの本も何冊か読み、頭の中では十分理解できたと判断し、必要な材料を揃え、いざ実践してみました。工程半ばですが、これまでの作業を記録しておきませう。


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↑割れた器の、ほんの(^^;)一部です。器を割れば掃除して廃棄しますが、単純な割れのもの、欠けだけの器は残しています。



必要な材料:


*生漆(接着剤)

*黒呂色漆

*絵漆

ガラス板(この上で漆を練る。100均の写真立てのガラス部分、トールペイント用使い捨てパレットを使用)

細筆(トールペイント用極細筆を使用)

*金や銀などの粉

*テレピン油(漆を薄めたり、筆を洗ったり)

消毒用アルコール

小麦粉、おかゆ、上新粉など(粘着度を上げるために使用)

水(小麦粉を溶くため)

ヘラ(漆、小麦粉を混ぜる 割り箸や丸箸、杉のお箸で手作り)

*クリスタル研石(#2000、#3000)、サンドペーパー(#320)、マスキングペーパー(余分な漆を磨き落としたり滑らかにする)

ビニール手袋(かぶれ防止)


*電動リューター(あれば便利 漆が乗りやすいよう、器に傷を付けるために使用)


*印は新規購入したものです。購入先は、漆や道具は主に漆屋さん(福井の箕輪漆行さん)やDIY店です。


工程その1:器の下処理をする


器、特に割れの断面を中性洗剤で丁寧に洗い、乾かします。さらにその断面をアルコールで拭きます。(油分や汚れが残っていると接着できないため)

電動リューターで割れの断面の中心に線を引くように傷を付けます。


工程その2:麦漆を作り接合する


小麦粉:上新粉=1:1に水を少しずつ加えて粘りが出るまでヘラで混ぜます。それと同量の生漆を出し少しずつ練り混ぜます。(始めは黄土色の生漆が酸化することで不気味?に変色しはじめ、ビックリ><)

耳たぶより少し硬いかな、という硬さまで練ります。これを麦漆と言います。この麦漆を断面に置いていきます。(片方のみと指示された本がありましたが、私は両面に塗りました)

割れた面同士を慎重に合わせます。はみ出た余分な麦漆は、ヘラで取り除いておきます。

マスキングテープで固定します。

*麦漆を塗る前に生漆を塗り、すぐティッシュで拭き取るという工程を挟む場合もあるようです。これは麦漆の接着を促す化粧水のようなものだそうです。


工程その3:室へ入れる


漆は温度20度湿度70%以上で乾くため、加湿した箱などの中で寝かせます。私は木箱に濡れ布巾を入れて、それを室にしました。


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↑室の中です。欠けを埋めたものがありますが、これは最初の大失敗。欠けは麦漆ではなく、錆漆(麦漆より造形しやすい)で埋めるのでした。初心者は想像を超えた失敗をする?私だけでしょうか?やれやれ。とりあえず、このまま乾かし、後日、錆漆を充填します。


工程その3:余分な麦漆を落とす


研石#2000を水で濡らしながら、麦漆で汚れた部分を水研ぎします。汚れが厚い部分はカッターを使います。磁器の場合はさほど気を使いませんが、陶器、特に粉引のようなものは傷が付きやすいので慎重にします。


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↑十日後。あら不思議。しっかり接着しています。(茶色のレンゲは歪んで接着されていましたので、やり直しです><)余分な麦漆を掃除し、次の段階へ続きます。


工程その他:使った道具類をテレピン油で洗う


今回、筆は使っていませんが、漆の付いた筆やヘラはテレピン油で洗い落とします。またきれいに洗った筆はその後サラダ油に浸し保護します。再度使う際に、テレピン油でサラダ油を落とします。


女性作家シリーズ・角りわ子さん。 [pottery]

この夏、旧軽井沢、チャーチストリート内のQculアトリエにて、一目惚れしたお皿です。

丸皿(五寸)・角りわ子作。

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鄙びた雰囲気が堪らなく良いのです。且つまた、裏も良い。

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角さんの銘。

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初下しは、甘唐辛子の炒め煮に。賀茂茄子の田楽など、素朴なおかずに似合いそうです。

アトリエには、他に、雰囲気の異なる鉢や汲出し、角皿などが数点あり、どれも魅力的でした。

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女性作家シリーズ・谷川亜希さん。 [pottery]

京都旅行から帰宅した翌日、我が家に届きました。

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猪口・谷川亜希作(rasikuにて製作)

娘と二人で覗いた寺町・ギャラリー直向さんにて、娘がこっそり購入し、配送手配してくれたそうです。これ、いいわね、と囁き合っていた作品でした。嬉しいサプライズです。

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ギャラリーひたむき
ADDRESS :京都市中京区寺町通御池上ル(京都市市役所となり)
TEL : 075-221-8507
FAX : 075-221-8508
OPEN : 11:00~19:00
定休日 : 火曜日
URL : http://www.hitamuki.com/
e-mail : info@hitamuki.com


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女性作家シリーズ・児玉みなみさん、山﨑美和さん。 [pottery]

セレクトショップ京にて、お若い女性作家さんの二人展。お二人の作品は、意匠、色彩、そして細部への拘りが実に女性らしく、美しいのです。

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運良く、作家さんが在店されていましたので、お話を色々と伺うことができました。

児玉みなみさんのマグカップ。

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取っ手の上部、親指がすっと収まる窪みがあります。児玉さんの拘りだそうです。果たして、ひ弱な女性でも、難なく持ち上げることができます。

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この滲み、得も言われぬ。。。

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裏も美しい。銘はm?

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山﨑美和さんのミルクピッチャー。

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内側は、美しいガラス質の釉薬。微妙な色合い、マルーンにほんの少しローズを混ぜた感じでしょうか。そして、液垂れしない注ぎ口。

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外はニュアンスのある黒い焼き締め、中はツルンとしたガラス調。縁まで釉薬が丁寧に施され、生地への匂い移りは、心配無用。thoughtfulな逸品です。

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裏はこんな感じです。

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京都らしいラッピングで、解くのが勿体ないことこの上なく。。。

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マイマグカップ。初下しはローズヒップ。

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タグ: うつわ 京都

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九段下へ。 [pottery]

先週末の土曜日、千鳥ヶ淵へお花見に行って参りました。
桜は五分咲きでしたが、結構な人出で、その中を、夫とお喋りしながらゆっくり歩きました。
6日まで、ライトアップされるそうです。満開の夜桜は見事でしょうね♪

千鳥ヶ淵散策の後、九段下での、もうひとつのお目当て、「暮しのうつわ花田」さんへ。
さすが、うつわの世界では有名店。店内は、お花見帰りの方々でいっぱい。千鳥ヶ淵に負けないほどの混雑ぶりでした。
ゆっくりできる雰囲気ではなく残念でしたが、幸い気に入ったものがすぐに見つかりました♪

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作家さんの手の温もりが伝わってくるようなこちらのカップは、甲賀の杉本寿樹さんの作品です。
久しぶりの土もの。見た目と違って柔らかで繊細な陶器。それを磁器ものと同様に扱ったために、割ってしまったり、欠かしてしまった器は数知れず・・・
今度こそ、大切に育てたいと思います。

暮らしのうつわ 花田

さて、本日は消費税8%初日です。
お買い物先のマーケットで、レシートを確認して愕然。
3%アップするということはこういうことなのですね。
数字を見て初めて実感できるなんて、愚かであります。
タグ: つれづれ

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ノスタルジア [pottery]

久しぶりにブログを書いています。

さて、先日ヤフオクで越中瀬戸焼の小皿を見つけました。 
立山在住、釋永由紀夫氏の作品です。越中瀬戸焼は、初めて聞く焼き物です。

しかし富山の焼き物となると、できれば落札したい。。。
そして迎えたオークション終了日。入札者が他一名と人気が上がらず、果たして廉価であっさり落札できました。

窯変の美しい4寸皿。主菓子に、ちょっとした酒の肴や香の物など、何にでも合いそうです。
さっそく煮沸しましょ♪

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ところで、私が富山に拘る理由は、ずばり(丸尾くん風に)、母の出身地だからです。
私のDNAには越中気質が組み込まれていると思うと、かの地に親近感以上のものを感じます。
齢51歳。それは誰しも己のルーツが気になるお年頃かもしれません。(笑)

余談ですが、 故スティーブ・ジョブズ氏は釋永氏の作品を好んで購入していらしたそうです。
タグ: 工芸
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