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絶賛。斎藤真理子著 「韓国文学の中心にあるもの」 [book]

韓ドラを鑑賞するようになり四年。ドラマや映画に嵌まる一方で、大韓民国という国家を殆ど知らないことに気付かされました。

大日本帝国統治時代、世界大戦時代とその戦後、特に戦後の分断、朝鮮戦争と、朝鮮半島の現状を知れば知るほど、やるせなさが募ります。植民地時代の蹂躙虐待、強制連行、曖昧な戦後処理、民族的バイヤス…
余談になりますが、原爆を落とされるまで降伏しなかった旧日本軍は狂っていたという他ありません。もっと早く降伏し、ポツダム宣言を受け入れていれば、東京大空襲も、各地の空襲も、沖縄も、広島長崎の悲惨もなかったはずです。ひいては朝鮮半島の分断も、朝鮮戦争も、その後の混乱もなかったのではという悔恨。軍権政治は、ろくでもない…

さて、今、読んでいる本です。著書はあの、「82年生まれ、キム・ジヨン」 の翻訳者であり、多数の翻訳書を持つ方です。完読していませんが、感動の一冊です。

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以下、まえがきより

 げんざい、韓国と日本の生活水準はほとんど変わらず、抱えている悩みも似た種類のものが多い。だが少し近寄って見れば、植民地にされた経験、朝鮮戦争と南北分断、軍事独裁政権による強権支配と、たどってきた歴史は大きく違う。朝鮮戦争はあくまで「休戦」状態にすぎず、和平がもたらされたわけではない。現在の韓国の文化コンテンツに見られる敏捷で聡明な繊細さは、このような重い歴史をくぐり抜けた足腰に支えられているといってよい。本書では、この足腰部分の解剖図を目指してみた。

以上、抜粋終わり

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FACT FULLNESS [book]

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私たちは世界のことについて圧倒的に知識不足です。何故でしょうか…
以下、本文より
‘’人間はいつも、何も考えずに物事をパターン化し、それをすべてに当てはめてしまうものだ。偏見があるかどうかや、意識が高いかどうかは関係ない。人が生きていく上で、パターン化は欠かせない。それが思考の枠組みになる。どんな状況も、すべてをまったく新しいものとしてとらえていたら、自分の周りの世界を言葉で伝えられなくなってしまう。
***********************
世界中のすべてのひとが、事実に基づいて世界を見る日はやってくるのか…。
事実に基づいて世界を見れば、世の中もそれほど悪くないと思えてくる。これからも世界を良くし続けるためにわたしたちに何ができるかも、そこから見えてくるはずだ。‘’   引用終わり
私たちは世界のことを知っているつもりになっているだけで、どれほども知らないという事実。世界は愚か、国内のことについても同様です。
筆者は、正確なデータや情報を元に、世界を見ることの重要性を解き、思い込みを払拭するために、10のルールを伝授してくれます。それらを会得できたなら…
読後、私の中で、世界の見え方が変わりはじめています。

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太宰治が学習不要論者を論破。 [book]

X(旧Twitter)で不定期に話題になる古文漢文不要論。つい先日も、多少の賑わいを醸していました。
世代を超え、古文漢文のみならず、学習の要不要の論議がなされるのですが、太宰治著「正義と微笑」の4月13日付の日記の中で、主人公、進の去り行く担任、黒田先生は、生徒達にこう告げます。(以下、青空文庫より魚拓引用) 

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カルチベートとは、修める、鍛錬する、深めるという意。

「カルチュアと言うのは、中略  心を広く持つという事なんだ。愛するという事を知ることなんだ。」

殊更この一文に惹かれます。

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ぞんざい丁寧。 [book]

幸田文さんの随筆が好きです。

筆者の言葉の豊かさ、品格、温かい眼差し…。
ひとたび触れれば、気持ちが落ち着いてくるのが不思議です。
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この随筆集の中で見つけた言葉、ぞんざい丁寧 (矛盾することも工夫しだいで道は開ける)。
露伴先生が文さんを評された巧みな造語。娘への包容力を感じる言葉です。

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沢野ひとし著「ジジィの片づけ」。 [book]

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若き日に椎名誠氏、木村弁護士とともに共同生活を送り、解散後も氏の著書の挿絵を担当されているあの(!)沢野ひとし画伯の新刊を図書館で借りました。

タイトルは、「ジジィの片づけ」。果たして、数多ある片付け本のレジェンドと言っても過言ではございません。


さて、私の中で沢野さんと片付けは結び付かなかったのですが、某ムック本で氏の正体(?)を見知って以来、俄然興味が湧いていたところに嬉しい新刊。


その沢野氏、ご自宅の片付けに留まらず、友人知人のそれまで片付けられるそうです。そんな氏の片付け好きは、あの佐野洋子氏のお墨付き。沢野氏の奇行(?)をエッセイで語られるほどなのでした。


著書内で沢野さんが語る片付けは、誠に論理的かつ実用性の高いものです。一方、ユーモラスな語り口に、そこはかとなく漂う哀愁、それが何とも切なく愛おしい…


片付け好きな方もそうでない方も楽しめると思います。




話は変わって、昨日は安倍元首相の国葬日。前日、我が家の最寄駅前で反対を訴えるデモがあり、署名を募っていました。脇を通りかかると署名を請われましたが、過日、ネットのChangeで署名したことを伝え遠慮した次第です。国葬が決定されて間もない頃のことです。以後、反対意志を表す人は増え続け、それに伴い内閣支持率は下がり続けました。

引くに引けない、仮にそれが理由で撤回しなかったのだとすれば、あまりにも愚かな政権です。対して、安倍氏が国葬に値するほどの首相だと認識しているとすれば、空恐ろしさを感じます。

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KAZUO ISHIGURO [book]

祝ノーベル文学賞受賞。
いと  うれし。

好きな作家のノーベル文学賞受賞、それは私の読書史上初の出来事でして、自分の趣味嗜好が評価されたと勘違いしそうです。やれやれ。

か、しかしNHK、
「わたしを離さないで」の核心を何度も繰り返し報道するのは、如何なものでせう。やれやれ。

そして来年は、
HARUKI MURAKAMIに。

ぜひとも。


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晴耕雨読。 [book]

本日、一日雨模様につき、ルーティンワークは最小限に留め、もっぱら本を読んでおりました。

まず、その文体の静謐な空気感が心地良い堀江敏幸氏の著書から、「めぐらし屋」を読了。
終始、ぐいぐい引き込まれることなく淡々と読み進み、途中何度も特有の表現技巧に感心しつつ、気付けば最後の頁でした。

その後、リンドバーグ夫人の「海からの贈物」を。女性にとっての救世主的図書は、再読を重ねても深い感慨を与えてくれます。人生最期の時まで読み続けたい一冊。悩める貴女にぜひ♪

並行して、ベストセラー、シェリル・サンドバーグ著「LEAN IN」。娘のものですが、一向に読む気配がないので、失敬しました。数日前に手に取り、120頁余りを読みました。が、しかし、フェミニズムの先駆アメリカですら、女性が働きやすい現場は、未だ充分ではないのですね。。。女性はもちろんのこと、男性にも読んでいただきたく存じまする。

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ついでながら、4月1日に目出度く入社式を迎えた娘は、すでに、かなりお疲れの様子です。慣れないことの連続で、翻弄されているのでしょう。なんと、毎朝6時、夫よりも早く出勤しております。
組織の中で働くチャンスを与えられた幸運をしみじみ感じ入る・・・、なんて余裕は、現在、皆無だと思います。少しずつすこしずつ、彼女なりのペースで、組織ならではの人とのつながり、経験や知識を積んで、人生の深みを増してくれれば・・・。
陰ながら応援しましょう。


めぐらし屋

めぐらし屋

  • 作者: 堀江 敏幸
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2007/04/01
  • メディア: 単行本





海からの贈物 (新潮文庫)

海からの贈物 (新潮文庫)

  • 作者: アン・モロウ・リンドバーグ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1967/07/24
  • メディア: 文庫





LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲

  • 作者: シェリル・サンドバーグ
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2013/06/26
  • メディア: ハードカバー




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女のいない男シリーズ。 [book]

極上の連作♪

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三作目「木野」なんて、書き出しから村上ワールド全開です。





knockは、誰or何が叩いている???
夫とは、見解が分かれましたヮ。





連載されている文芸春秋は、単行本化されない限り、永久保存の予定でございます。
実は、村上春樹邸登場の「アルネ10号」を、あろうことか紛失してしまいました。しかも見当たらないのはこの号だけ。家宝だったのに。。。

ついでながら、少々自慢をば。
アルネ掲載の村上家の食卓上に、なんと我が家にある小鉢と、同じものを発見@@ 私は狂喜乱舞したのでした。が、しかし私に輪を掛けたハルキストの夫にそれを見せたところ、ほとんど関心を示さず、でした。そんなものかしら。。。

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平安永楽造・見込染付鳳凰図小鉢

タグ:村上春樹

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暑くて長い夏でした。 [book]

秋も深まってきたところに、夏に読んだ本の記録です。

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上の本以外に、
三浦しをん著「舟を編む」をお隣の奥さまからお借りしました。

立ち読みにて、村上春樹氏の「サラダ好きのライオン」を。
夫の蔵書「村上春樹 雑文集」と文春の特別号を読了。

角田光代著「空中庭園」と「対岸の彼女」を購入。
読後、「空中庭園」は夫、「対岸の彼女」は娘の元へ。

先の「舟を編む」は、胸を静かに且つまた強く揺さぶられました。
ティッシュを片手に文字を追ったのは、何時以来でしょう。
記憶に残る一冊となりそうです。

しかし今年の夏も暑かったですね。
禅に因んだ本が三冊も入っているのは、精神面で暑さに立ち向かった証です。
と言うのは嘘でして。
とある書店で枡野氏の著書を読みました。(立ち読み^^;)
これが琴線が触れまして、未読の二冊を購入しました。

同じ禅関連でも、中沢新一氏訳「禅の言葉」は私には至極難解です。
禅の世界と私のそれはステージが激しく違うのです。
達観する日が来ることを信じて、繰り返し読みませう。
ちなみに編者は仏蘭西人であられます。

ところで、本を撮影中、朝ご飯はおにぎりと決めました。
「澪つくし料理帖」のおみをちゃんは、幼馴染の野江ちゃんのために「胡麻塩結び」を拵えます。
それは俵型です。関西では、俵むすびが多いですね。
母のおにぎりもそうです。

森のイスケア・佐藤初女さんのおむすびは丸結びです。
丸い形こそ、初女さんのおむすびに相応しい。ふとそう思いました。

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先日の越中瀬戸焼は白が似合うと直感したのです。
果たして思った通りでした♪

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